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NY発 アスパイアのコーズマーケティング通信

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Natsuyo

コーズ・マーケティングを中心としたソーシャルマーケティング全般について、戦略コンサルタントの視点でニューヨークから発信。

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ビッグアップルサーカスのクラウン・ケア②

2009/07/02 09:00:00
“クッキー先生”
「クッキー先生!!」
そう呼び止めた女の子は今にも泣き出しそうに恐怖に震えていた。
「あと30分でお兄ちゃんが足の切断の手術をするの。一緒に来て。お願い。」
トイレットペーパーをお尻から引きずりながら廊下を滑稽に歩いていたクラウン・ドクターの”クッキー先生”は、そのォ女の子の深刻な表情に、クラウンであることをすっかり忘れ、神妙な面持ちで7歳になる”お兄ちゃん”の病室へ向かった。
「ボクは本当にこうしなきゃいけないのかな」
疲れ果てた老人のようにうな垂れる”お兄ちゃん”を目の前にして、”クッキー先生”は滑稽な気分になどなれなかった。”クッキー先生”は深呼吸をして真剣に答えた。
「それが君にとって一番の方法だとお医者さんは考えているんだね。…でも…お医者さんがお迎えに来るまで、何でも好きなことをしようよ。お行儀悪くたっていいんだよ。何がいい?」
プロのクラウン・ドクター魂なのだろうか、“クッキー先生“は自分も知らず知らずのうちにこの”お兄ちゃん”にそう語りかけていた。

「じゃあ…ベッドでトランポリン遊びをしたい」
“クッキー先生“は、は、瞬時にその意図を理解した。そうだ…あと30分後には、トランポリン遊びを楽しめる足がなくなってしまうのだ…。
“クッキー先生“は”お兄ちゃん”と一緒に、病室で静かにしていなきゃいけない、なんていうルールは思いっきり破り、思う存分飛び跳ねた。余りの楽しさに大声で笑い出した”お兄ちゃん”にビックリした看護婦さん達があわてて様子を伺いに来たほどだった。

そして時間がやってきた。
廊下には、外科医、麻酔医、看護婦さんたちがずらりと並び、”お兄ちゃん”を待っている。
”お兄ちゃん”は自ら率先して移動式ベッドに移り、茶目っ気たっぷりに”クッキー先生”に小声で話しかけた。

「先生、お尻にトイレットペーパーがついてるよ」

”お兄ちゃん”は勇敢にもニコッと笑い、心穏やかに手術室に向かったのだった。

ビッグアップルサーカスのクラウン・ケア・ユニットを代表する、プロのクラウン・ドクター、”クッキー先生”こと、カレン・マッカーティーさんの体験談である。
(続)

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