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NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室

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なかはら

中原淳(東京大学)のブログです。教育工学 / 企業人材育成 / 組織学習 / 学習する組織 / 協調学習 / 知識創造 /ワークプレイスラーニングなどが研究のキーワードです。

たまに「子育て」に関しても、書いています。

キレイにまとめる研修

2009/07/24 12:59:22
 研修講師は、どうしても、最後に答えを言って、キレイにまとめたがるのです。受講者に最後にモヤモヤとした感情を残すと、研修後に実施されるアンケートでの満足度に響くからです。だから、答えを言ってしまいます。  多くの研修とは、一番最後に「正しい答え」をだすものなのです。  中原さんの実施するようなLearning barやセミナーのような終わり方を、絶対にしません。だって、来る前よりも、来た後の方が、モヤモヤ感は増していますから。 「考えるための素材が、今、これだけあります。    で、、あなたは、結局、どうしたいのですか?」  と終わりますよね。たいていの人は、悩みます。だから、モヤモヤします。通常の研修ですと、こういう終わり方をすると、満足度が下がるのです。   ▼  ある研修講師の方から聞いた話が、ずっと忘れられません。人生いろいろ、研修いろいろでしょうから十把一絡げにはできませんけど、「へー、そういうものなのかな」とも思いました。  疑問は2つです。  ひとつめ。  まず、「正しい答え」をもらった受講者たちは、それを本当に実践し、行動にうつしてくれるのでしょうか。  むしろ「正しい答え」をもらって満足はするけれど、そこで思考停止するのではないでしょうか。  ふたつめ。  そもそも、すべての現場に適用できる「正しい答え」など存在するのでしょうか。  たとえば、マネジャー向けの研修であったとするならば、どうでしょうか。すべての現場に適用できるような万能のルールや仕組みを教えることは可能なのでしょうか。  結局は、一人一人のマネジャーが、「自分の現場の状況」にあわせて、自分のあたまでソリューションを考える他はないのではないでしょうか。  主張は1つ。  もし上記の疑問1に対する答えが、それぞれ「正しい答えをもらっても行動にうつさない」「正しい答えをもらって停止する」というのであれば、アンケートで満足度を取得する意味なんてあるんでしょうか。  むしろ、満足度を取得することで、研修効果を失わせているのではないでしょうか。  人生いろいろ、研修いろいろですので、すべてをまとめて論じることはできませんが、なかなか考えさせられました。  おかげでさまで、自分の主催する会の特徴についても、よくわかりました。僕は最後に「まとめ」は行いますが「正しい答えはこうだ」とは一言も言っていないということです。むしろ、「考える素材はこれだけあるけど、さて、あなたは、どうするんですか」と言っているんですね。自分では全く気づきませんでした(笑)。  Learning barに「正しい答え」はありません。  そこにあるのは「素材」と「問いかけ」だけです。  答えをだすのは「僕」や「講師」ではありません。  答えをだすのは「あなた」です。  そして、それこそが「大人の学び」だと僕は思います。
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